ITIL 4のサービスバリューチェーン(Service Value Chain, SVC)は、**サービスバリューシステム(SVS)**の中心的な構成要素であり、組織がサービスを通じて価値を創出・提供するための一連の活動のフレームワークです。
このサービスバリューチェーンには、6つの主要な活動が含まれており、これらを柔軟に組み合わせることで、顧客やステークホルダーに対して価値を提供することができます。
🔄 サービスバリューチェーンの6つの活動
活動名 | 説明 |
---|---|
1. Plan(計画) | 組織全体の方向性、ポリシー、目標を設定し、サービスマネジメント全体を戦略的に整合させる。例:戦略立案、ポートフォリオ管理、ガバナンス活動 |
2. Improve(改善) | すべての活動やサービス、プラクティスの継続的改善に関する活動。例:KPIの測定、改善計画、レポート作成 |
3. Engage(関与) | 顧客、ユーザー、パートナーなどのステークホルダーと関係を築き、ニーズや期待を理解する。例:要求受付、契約管理、顧客フィードバック |
4. Design & Transition(設計と移行) | サービスや製品を設計し、開発・テストして、本番環境へスムーズに移行する。例:変更管理、リリース管理、サービス設計 |
5. Obtain/Build(取得と構築) | サービスを提供するために必要なコンポーネントやリソースを取得・構築する。例:ソフトウェア開発、調達、ハードウェア導入 |
6. Deliver & Support(提供とサポート) | サービスの提供を日常的に実行し、ユーザーに対するサポートを提供する。例:インシデント対応、サービス要求管理、運用管理 |
🔗 サービスバリューチェーンの特徴
- 活動は直線的ではなく、組み合わせ可能です。必要に応じて自由に流れを設計できます。
- 全体の目的は、価値(Value)を創出すること。
- フィードバックループや継続的な改善が組み込まれており、俊敏で柔軟な対応が可能です。
🎯 まとめ
ITIL 4のサービスバリューチェーンは、組織が「価値の共創」に向けて、計画・設計・構築・提供・サポートといった活動を有機的に連携させるための枠組みです。これにより、ITサービスがビジネス目標に整合し、顧客満足を最大化することが可能になります。
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